銅板(金属板)を用いた屋根葺きには様々な工法があります。
瓦棒葺き
一文字葺き(平葺き)
菱葺き
立ちハゼ葺き
段葺き(横葺き)
本葺き
瓦棒葺きは屋根の流れ方向に長尺材を用い、材料の巾毎に角材を取り付けた葺き方である。(真木あり)
屋根勾配がゆるい場合に用いられることが多い。角材を用いず成型した材料で同じような外観に仕上げる方法もある。(真木なし)
一文字葺き(平葺き)の葺き足(有効働き巾)は、葺き板のサイズと、ハゼ(折り返し)
の寸法によって決まる。
銅板の定尺サイズは、365×1212ミリ(尺2寸×4尺)であり、
小板定尺と呼ばれる。ほかに455×1212ミリ(尺5寸×4尺)=幅広小板低尺=
の板が一般に流通している。さらに1m×2m、3尺×6尺などの大板があり、
それぞれの巾での長尺板(コイルまたは条とも呼ばれる)がある。
これらの定尺板から適当なサイズに切り分け、葺き板のサイズとする。
標準的な切方としては、四つ切、五つ切、六つ切、八つ切などがあるが、切る方向によって、
短冊切り、十字切り、キの字切りなど多様である。
ハゼの寸法は、様々な理由から各種考えられるが、標準的には15ミリ(5分、ごぶ)程度で
ある。
ここでハゼを15ミリとして、小板定尺の短冊切り、六つ切を例に葺き足を計算してみよう。
六つ切では定尺板の長さを6等分する。従って葺き板は365×202ミリとなる。
これからハゼによって隠れる分を引く。ハゼ巾15ミリなので、その3倍=45ミリだが、
余裕を見て47ミリを引く。結果、葺き板の働き巾は318×155ミリとなる。
一文字葺の1平米あたりの葺き板の所要枚数は上の働き巾から計算する。
一枚あたりの面積は318×155=49290平方ミリ。
1?は1000000平方ミリなので1000000÷49290=20.28
つまり1平米あたり21枚が必要となる。六つ切なので、21÷6=3.5
となり1平米あたり必要な定尺は3.5枚となる。これは当然切り方によって変化する。
細かい切り方をすれば、必要な枚数は増加する。
+++ close +++